鉄道各社が痴漢撲滅を呼びかけ えん罪防ぐ保険も : VIDEO


鉄道各社が痴漢撲滅を呼びかけ えん罪防ぐ保険も



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http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170605/k10011007061000.html

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6月5日 16時37分

痴漢を疑われた人が線路内に逃走するケースが相次ぐ中、首都圏の鉄道各社が5日から痴漢撲滅を呼びかけるキャンペーンを始め、線路内に決して立ち入らないよう訴えました。

このキャンペーンは首都圏の19の鉄道事業者と警察が共同で始めたもので、今月16日までの期間中、駅や電車内での警戒が強化されます。このうち、国内最多の1日およそ150万人が利用するJR新宿駅では駅員2人がホームの柱に「痴漢は犯罪です。車内で異変を感じたら、声を上げてください」などと書かれたポスターを張り出しました。


最近は痴漢を疑われた人が線路内に逃走するケースが相次いでいて、JR東日本によりますと、ことし3月以降、JRの都内の駅だけで9件発生し、東急田園都市線では先月、線路内に逃げた男性が電車にはねられて死亡する事故も起きています。JRによりますと、線路内に立ち入ることは鉄道営業法に違反するうえ、列車を止めたとして鉄道会社から乗客の運賃の払い戻しや振り替え輸送費などで高額の費用を請求されることもあるということです。


JR東日本の渡邉佳隆総務部課長は「痴漢を防止することがなによりも大切だ。どんな理由があっても線路内への立ち入りは非常に危険であり、多くのお客様に迷惑がかかる行為なので、絶対にやめてほしい」と呼びかけています。

えん罪を防げ 痴漢相談の保険加入が急増

痴漢を疑われ、その場から逃走するケースが相次ぐ中、痴漢を指摘されたらすぐに弁護士と連絡をとり相談できる保険サービスに加入する人が増えています。




この保険は東京・千代田区の保険会社がおととしから始めている「痴漢冤罪ヘルプコール」というサービスです。保険の契約者は痴漢の疑いをかけられた際、専用のホームページを通じて通報すると、会社と提携する全国の弁護士に一斉にメールが送信されます。スマートフォンなどのGPS機能で通報した人の位置情報も同時に伝えられ、近くにいたり対応可能な弁護士が電話で相談に乗ったり、駆けつけたりすることもあるということです。


サービスの加入者はことし4月は42件でしたが、線路内で逃走するケースが報じられたあとの先月は929件と20倍以上に急増しているということです。会社によりますと、年間の保険料は6400円で加入者の9割が男性で、首都圏のほか、大阪や名古屋など大都市圏の居住者が多いということです。最近は、「息子が痴漢のえん罪被害に遭ったら心配だ」などと母親からの申し込みも目立っているということです。


会社によりますと、去年、実際に痴漢の疑いをかけられ大宮駅にいた契約者から連絡を受け、弁護士が電話で対応した結果、逮捕されずに解放されたケースがあったということです。保険サービスを取り扱うジャパン少額短期保険の杉本尚士社長は「痴漢を犯した人には一切、費用負担はしないが、痴漢のえん罪事件に巻き込まれるリスクは誰にでもある。ボタン1つで弁護士とアクセスできるサービスを“お守り”として活用する人が増えているのではないか」と話していました。

鉄道の痴漢の実態は

鉄道や路上などで痴漢をしたとして、検挙された件数は毎年3000件余りにのぼっていますが、被害を申告できない人もいて実態はさらに多いと見られています。


電車内で痴漢を行った場合、都道府県の迷惑防止条例違反で検挙されることが多くあります。警察庁によりますと迷惑防止条例違反のうち鉄道などの公共交通機関や路上などを含めた痴漢の検挙件数は全国で平成23年が3679件、24年が3932件、25年が3583件、26年が3439件、おととし27年が3206件、となっていて、毎年3000件を超えています。


また、より悪質な行為にあたる電車内の強制わいせつの件数は、平成23年が300件、24年が318件、25年が303件、26年が283件、27年が278件と毎年300件前後で推移しています。


警察庁が平成23年にまとめた研究会の報告書によりますと、被害にあった女性の中には満員電車に乗ることができなくなったといった後遺症が残る場合があるほか、被害を申告できない人もいると予想されることから、実態はさらに多いと見られています。




また、報告書では平成22年に実施した女性に対するインターネットによる意識調査も公表していて、1年間に電車内で痴漢の被害にあったと回答した女性は13.7%の304人にのぼります。このうち、90%近くの271人が警察に通報や相談をしていなかったということです。


また、被害にあったときに「我慢した」と答えた人が半数を超える160人、「その場から逃げた」という人が45%の137人に対して、「犯人に対して何らかの行動を起こした人」は全体の27%の87人にとどまっていました。


このほか、検挙された容疑者を分析したところ、30代と40代の会社員が通勤時間帯に偶然近くにいた被害者に目をつけて痴漢行為に及ぶケースが多かったと指摘しています。そのうえで報告書では、痴漢を撲滅するためには被害者による対応だけでは不可能で、警察や鉄道事業者による車内や駅での警戒や車内アナウンスによる呼びかけの強化、それに車内での防犯カメラの設置を検討するよう求めています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170605/k10011007061000.html

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