院長が火事で死亡の高野病院 広野町が存続支援へ


院長が火事で死亡の高野病院 広野町が存続支援へ

高野英男さん source 暇人ジャーナル


1月3日 

東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響で一時、ほとんどの住民が避難した福島県広野町で、町内にとどまって診療を続けてきた病院の院長が火事で死亡し、広野町は地域に欠かせない医療機関を存続させるため、常勤医師の確保など支援に乗り出すことを明らかにしました。

東京電力福島第一原発の半径20キロから30キロの範囲にある広野町では、原発事故のあと、町役場やほぼすべての住民が一時避難しましたが、町にある民間の高野病院は診療を続けました。


この病院の院長、高野英男さん(81)の自宅で先月30日に火事があり、見つかった男性の遺体が3日、高野院長と確認されました。高野院長は高野病院唯一の常勤医師でしたが、亡くなったことで、病院の設置に法律上必要となる常勤の医師がいなくなりました。


広野町の遠藤智町長は3日役場で会見を開き、地域に欠かせない医療機関を存続させるため、支援に乗り出すことを明らかにしました。


具体的には高野病院の常勤医師確保のため、福島県への協力要請や全国への呼びかけを行うとともに、診療の一部を担うボランティアの医師を募る窓口を町役場に設けるということです。また、非常勤などの医師が町を訪れる際の交通費や宿泊費の補助も行うということです。

住民「優しくていい先生だった」

広野町の70代の女性は高野さんについて、「町で有名な先生でした」としたうえで、「病院は今も入院している人もいるし、今後も存続してほしい」と話していました。


また、別の60代の女性は「おばあちゃんが高野病院に入院していたときに診てもらいましたが、優しくていい先生でした。亡くなったと聞いて、びっくりしました」と話していました。

原発事故で住民避難もとどまり診療続ける

高野英男さん(81)は、福島県広野町にある民間病院、高野病院の院長として地域の医療を支え続けてきました。


広野町は全域が東京電力福島第一原発の半径20キロから30キロの範囲にあり、原発事故のあと一時、町役場や、ほぼすべての住民が避難しましたが、高野院長は入院患者とともに、町にとどまりました。


そして、病院でただ1人の常勤の医師として、複数の非常勤などの医師の協力を得ながら、病院の運営や診療を続けてきました。


広野町を含めて、原発事故で広い範囲に避難指示が出された双葉郡では、医療機関の閉鎖が相次ぎ、およそ120床の高野病院は、今も診察している地域で唯一の病院です。


病院は高野院長が高齢になったため、常勤の医師を募集していましたが、見つからない状況が続いています。

常勤医師の確保には県や国の支援を

高野病院の医師確保の支援をしている、南相馬市立病院の尾崎章彦医師(31)などによりますと、高野院長は高野病院で、ただ1人の常勤医師として、入院患者100人余りの診療を行ってきました。


さらに外来患者の診察や、月に数回以上の夜間の当直をこなし、通常は検査技師が行うことが多いX線画像の撮影も、みずから行っていたということです。




尾崎医師は、高野院長に代わる医師の人材を確保することは容易ではないとして、常勤医師の確保のためには福島県や国の全面的な支援が必要だと訴えました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170103/k10010828091000.html

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